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小林柊矢



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小林柊矢

プレイボール

Lyricist:小林柊矢
Composer:小林柊矢

「やっぱり叶いっこないや」と泣いた
手は震えて血が滲んでた
どうして?と聞いても誰も答えてくれやしなくて
ただ情けなさとボールを壁にぶつけた

でも人前では弱音を吐かなかった
軟弱者だとは思われたくなかった
だからいつも笑顔で「行ってきます」と
自分を騙して玄関を閉めた

ネットの向こうのみんなに憧れ
馬鹿の一つ覚えでバットを振った
暗くて見えなくなったボールも
手探りで必死に追いかけた

幼いながらに
人よりできないことわかってた
綺麗事が通じないのもわかってたんだ

あの頃の自分に会えるなら
「まだやめるな」って言ってやろう
届かなかったやつにしか
届くものがあるんだと
叶わなかったやつだけに
叶うものがあるんだと

大きな大会でサブキャッチャーだった
スタメンキャッチャーの準備が終わるまで
ピッチャーの肩慣らしでグラウンドに立てた
客席の母は必死で写真を撮ってた

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マスクの下で少し泣いたが
数十秒間だけ誇らしかった
思えば母の弁当にいつも救われた
砂と涙が混じった味が蘇る

正直半ば無理強いだった
でもやめたいとは何故か言い出せなかった
いやどこかで続けたい自分がいたのか
そうだ練習試合で打った
あのツーベースヒットが
みんなが笑顔で迎えてくれたあの光景が
忘れられなかったんだ

そう言えばこの前通ったんだ
泥だらけになったグラウンドの前を
今じゃ綺麗になったトイレと
仲間と夢を語り合った階段

頑張れてるよ
地道にだけど
あの夢は諦めちゃったけど
今でも精一杯やってるよ
バットを持った俺が
ガッツポーズしてる

あの頃の自分に会えるなら
「まだやめるな」って言ってやろう
届かなかったやつにしか
届くものがあるんだと
叶わなかったやつだけに
叶うものがあるんだと